僕のオタクとしての自我は、中学3年の夏休み――2017年の夏に芽生えたんだと思います。オタク・キャリア自体は中1で始まったのですが、自分なりの選好とか主張とか、そういったものをはっきりと携えて、読むもの、見るもの、ひいては”愛するもの”を選び始めたのがその時期ではないか、ということです。 そんな夏を振り返るとき、かならず思い出される作品が、鶴亀まよ先生の『三上と里はまだやましくない』です。出会った2017年夏から2022年初春の完結までの約4年半――高校入学から卒業、大学受験、大学進学、コロナ禍――あまりにも長くて、あまりにもたくさんの変化にさらされた歳月を、僕は、『三上と里』とともに歩むこと…