敵打日月双紙:三上於菟吉 1935年(昭10)平凡社、大衆文学名作選 第3巻所収。 1941年(昭16)博文館文庫(第2部 22-23) 所収。 (かたきうち・にちげつそうし)江戸時代までの仇討ちは、殺された親の仇を子供が藩主の許可を取り付けて竹矢来の場で果し合いという形で行われていた。この作品も敵討ちの話だが、物語の骨格を米国の作家ジョンストン・マッカレーの『双生児の復讐』(The Avenging Twins, 1923) に拠ったとされている。確かにそれまで日本に紹介された復讐譚である黒岩涙香訳の『白髪鬼』や『巌窟王』と同様に、復讐の対象となる敵を一人ずつじわじわと追いつめて滅ぼすという…