当時の商売の常識を破って成功した三越 今回は結構唐突な印象があるが、三越の創業の話である。それまでの大店の常識を破壊したことによって成功した新興焦点であるが、どこにポイントがあったか。 新興都市であった江戸は生産力が低く、日用品などは商業が発達した京や大阪などからの「下りもの(だからつまらないものを「くだらないもの」と言う)」が中心だった。そこでこれらの商品を扱う商人が大阪の商人が続々と江戸に進出して店を持ち「江戸店持ちの上方商人」と呼ばれていた。三井越後屋の創業者である三井高利もその一人である。 松阪で生まれた高利は1673年に日本橋に小さな呉服屋である三井越後屋を開く。新規出店なので馴染み…