陳成子(ちんせいし)、簡公(かんこう)を弑(しい)す。孔子 沐浴して朝(ちょう)し、哀公(あいこう)に告げて曰わく、陳恒(ちんこう) 其の君を弑せり。請う之を討たんことを、と。 公曰わく、夫(か)の三子に告げよ、と。 孔子曰わく、吾 大夫の後に従うを以て、敢えて告げずんばあらざるなり。君 夫の三子者(さんししゃ)に告げよと曰う。三子に之(ゆ)きて告ぐ。可(き)かず。孔子曰わく、吾 大夫の後に従うを以て、敢えて告げずんばあらず、と。(「憲問第十四」21) (解説) 斉国の陳成子が主君の簡公を弑したときのことである。孔子は髪を洗い、湯あみし身を清めてから、魯の政庁に参じ、哀公に申し上げた。「陳恒が…