既成概念から脱出しようではないか 児 島 庸 晃 文明とは、文化とはいったい何なのか。そう思って俳句の事を考えていた。俳句も立派な文明や文化のひとつではないかと思えるようになったのは最近である。長い間に渡り、俳句は文芸の一部分で趣味的な私的なものに過ぎないと思う日々であった。先日読んだ書物には世界の各地で盛んになりつつある俳句の話が紹介され、しかも世界の文学になろうとしているという。こうなると、もう文化である。既成概念だけでの句作りは出来ない。改めて俳句を根本から見直したいと思うようになった。そこで工夫や苦心ともいえる思考を怠ると、俳句作りのための俳句になって単一化してきてつまらないものになる…