歓喜の訪れは、朝の7時ごろだったか。 2011年の女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会決勝。紙面の準備のためテレビ観戦していたのは、日本時間で日付が変わって7月18日の未明から早朝にかけてのこと。「なでしこジャパン」がフランクフルトの地でアメリカに先行されながらも追いつき、2-2で終えた延長戦のあとはPK戦を3-1で制すると、以来、チームが帰国してからの取材が一気に慌ただしくなったものだった。 その1か月前には愛媛県松山市でW杯に向けた壮行試合の韓国戦があったのだが、雨の中、水たまりのピッチで先制したなでしこは、あっさり追いつかれてドロー。東日本大震災からまだ3か月で、大会に向けて選手がどんな…