炎天下、東京都立美術館で「マティス展」を堪能した後、いい余韻のまま「御菓子司 一炉庵」(いちろあん)まで足を延ばした。背中が妙にこそばゆい。 約4年半ぶりの訪問。小さな店構え。 日本の和菓子界の中でも有数のプロフェッショナルな老舗で、四季折々(二十四節気)のクールな上生菓子は節気ごとに十数種ずつつくっていて、今もなお対面販売にこだわるなど、ディープなファンも多い。 和菓子界のマティスかも? だが、上生菓子は日持ちがしない。目の散歩だけを楽しみながら、ふと見ると、アートな包みの羊羹類(小サイズ8種類ほど)が目に入った。 背筋のピンとした女性スタッフ(4代目女将さん?)に尋ねると「こちらは賞味期限…