土産物にはその土地々々の特色が出る。 そりゃあそうだ、出ていなければいったいどうして、観光客の購買欲を掻き立てられる。財布の紐を緩ませるには、彼らの日々の生活範囲の域を外れた、そこならでは(・・・・)の尖った「なにか」が必要なのだ。 昔の早稲田の名物に、「ホラせんべい」なる奇妙な名前の菓子がある。何かにつけて大風呂敷を広げたがる学祖大隈重信にあやかったに違いない。「天満の天神さん」の愛称で地元民の信望を繋ぐ大阪天満宮、菅公を祀るここの社務所が発行する社報には、大正時代、「面白き神罰の実例」たらいう興味記事が載っていた。 洒落と風刺と恫喝とをこき混ぜて、軽妙至極な笑話へと昇華せしめたものであり、…