命拾いしたね、観月にこりと笑った ●きみに恋してる 休日の予定を聞いたら他校に行ってデータ収集だというから、無理矢理僕もついてきた。だってそうでもしないと平気で何日も会えないのだもの。観月は薄情だ テニスをしていない僕など何の価値はないと、会う必要は無いと言わんばかりに。 今だって横にいる僕の事はずっと無視で、目の前のコートに立つ選手たちを食い入るように見つめている。そう、まっすぐ時折微笑を浮かべて。 あぁ、一緒にいるのは嬉しいのになんてつまらないんだろう折角観月といるのに、真っ暗闇にひとりぼっちになったみたいでむかむかしてくる 視線は合わない僕は観月を見つめているのに いっそうの事片手で掴め…