▶︎ 前回はこちら|第五話「待つ」 第六話 「歳月」時間は、少しずつ形を変えていった。朝起きて仕事をしてご飯を食べて手紙を書いて康太郎を見送って帰ってきた康太郎を迎える。そんな日々を繰り返しているうちに私は、いつの間にか季節の数を数えなくなっていた。美和子が、久しぶりに私の元を訪ねてきた。「お姉さま」相変わらずの声だった。少し大人びたけれどどこか、昔の美和子のままでもある。家の中を見回しながら、眉を寄せた。「まだここで暮らしているの?」「ええ」「こんなところで?」「そうね」言い返すのも面倒だ。私が短く返すと、美和子は少しだけ口を尖らせた。「だって」「隙間風は入るし、広くもないし。進平さんだって…