解答例 第1 設問1(以下、民事訴訟法は法名略。) 1 (a) 法的根拠及び判断基準 民事訴訟法上、違法収集証拠に関する明文規定は存在せず、また、刑事訴訟と異なって将来の違法捜査の抑止という点を重視する必要がないことからすれば、真実発見の観点から、違法収集証拠の証拠能力は原則として認められると考える。しかし、違法な行為によって収集した証拠すべてに証拠能力を認めることは、裁判所が違法収集行為を認めその行為を助長することにつながる。そこで、違法収集証拠については、信義則上(2条)証拠能力が否定される場合があると考える。具体的には、①刑事上罰すべき行為にあたる違法行為による場合はすべて証拠能力が否定…