与野中央公園

サッカースタジアムやアリーナを税金を使って建設することの是非が盛んに議論されていて、これに関するインターネット上の発信も多い。 以前、私が秀逸と思ったブログがあったのだので、もう一度見ようとしたが見つからない。油断していた･･･。 そのブログの主はJリーガーのようだったが、彼の意見は下のようであった。 ・サッカースタジアムの建設費は巨額なので、行政に依存するのはやむを得ない。 ・したがって、スポーツチームが市民から愛され、”おらが町のチーム”となってはじめて市民が税金を使ってでも応援しようという動きになる。 ・ところが現在は逆になってしまっている（愛されるチームになる前に、行政が建設を率先する…

ハコモノ建設を目指す自治体は建設の目的を曖昧で抽象的な表現で飾るもので、これらの表現を「マジック・ワード」というそうだ。 新アリーナの役割は「多様な文化を発信するトレンド基地」、「域内交流を促進し、コミュニティを活性化」、「多様性を生み出す、有機的な価値創造の拠点」であると仮称次世代型スポーツ施設基本計画（令和5年5月）には書かいてある。マジック・ワード満載である。 https://www.city.saitama.lg.jp/006/014/008/003/012/002/p097337_d/fil/kihon_keikaku.pdf 市長も「この計画はさいたま市の発展と成長に必要」としてい…

さいたま市新アリーナ計画に関する懸念（その１、２）で解説 ７-1 事前の調査や準備を全くしていない ７-2 新アリーナを使うチームがない？ ７-3 市税を民間業者の利益のために渡す仕組み ７-4 市民の体育館利用機会は増える？ Ｑ＆Ａ（３）市民の質問と市の回答 ７-5 さいたま市のハコモノ三原則とは？ ７-6 民間事業者の心配事 ７-4 市民の体育館利用機会は増える？ 新アリーナ計画の陰に隠れてあまり注目されていないのが、サブアリーナの問題だ。 現在の与野体育館の利用率は96％でなかなか予約が取れない。サブアリーナが完成しても競技場面積は今の与野体育館とほぼ同じなので、利用できる機会は増えない…

さいたま市新アリーナ計画に関する懸念（その１）で解説 ７-1 事前の調査や準備を全くしていない ７-2 新アリーナを使うチームがない？ ７-3 市の税金を民間業者の利益に渡す仕組み さいたま市新アリーナ計画に関する懸念（その３）で解説 ７-4 市民のサブアリーナ利用機会は増える？ ７-5 さいたま市のハコモノ三原則を無視している ７-6 民間事業者の心配事 ７-3 市の税金を民間業者の利益に渡す仕組み これまでの市の主張は次の2点である。 営業ベースでは黒字を見込んでおり、想定以上の黒字が出た場合は、利益の一部を市に還元する制度（プロフィットシェアリング）を導入する。 民間事業者が赤字になって…

与野中央公園に特有の問題点（その１）で解説 ６-1都市公園法の規制を受ける ６-2市街化調整区域である ６-3みどりの政策大綱を蔑ろにしている ６-4 旧与野市時代の”みどり豊かな公園”の約束を考える ６-5 軟弱地盤を考える 1)地盤改良工事が必要があり、建設費用が増える 2)建設工事は近隣住宅に損害を与えないか 3)予定地は洪水時の浸水想定区域である ６-4 旧与野市時代の”みどり豊かな公園”の約束を考える 「おじさんは怒っている。」それが彼の最初の言葉だった。令和5年9月29日、市の新アリーナ計画説明会の会場である。 「私はここでずっと米作りをしてきた。ここに公園を造るということで住人や…

あらためて述べるが、アリーナは「公園内に建設しなければならない」ものではない。どこに建てても良い。しかも、与野中央公園内を建設地にした場合、次のような制限が伴ってしまう。 ６-1 都市公園法の規制を受ける ６-2 市街化調整区域の思想から考える ６-3 緑の政策大綱を蔑ろにしている Ｑ＆Ａ（２）市民の質問と市の回答 与野中央公園に特有の問題点（その２）で解説 ・旧与野市時代の”みどり豊かな公園”の約束 ・軟弱地盤を懸念する ６-1 都市公園法の規制を受ける 国交省の都市公園法運用指針では、公園の機能を次のように説明している。 ・都市公園は、原則として建築物によって建ぺいされない公共オープンスペ…

これまでは行政側から見た公園制度の変遷を見てきた。しかし、一番大切なのは市民が公園に何を求めるのかということである。 これについて行政も無関心であるはずもなく、国土交通省は約7年ごとに自治体と利用者の両方にアンケート調査を行っている。直近は令和3年度に実施された。 さいたま市も毎年テーマを変えてアンケート調査をおこなっている。公園に最も関連ありそうな調査は平成30年度の「さいたま市新しいまちづくりのための市民アンケート調査」である。 「公園に行ってプロスポーツを観戦したい人」がどの程度いるのかについて知りたいのだが、いずれのアンケートでもそのような設問がないので、結果を解析して考察したい。 ア…