暑い。 とだけ書かれた文字を見て、どれだけ暑さを感じることができるだろうか。暑さの程を伝えたくていろんな形容で表現することもあるだろう。例えば、うだるような暑さ、肌がじりじり焼けそう、汗でべたべた、まるでサウナ、火がつくかと思うほど…等々。或いは「暑い」を連呼する回数で表現する人もいそうだ。 でも、「真夏の丑三つ刻(うしみつどき)」ほど暑さを上手く表現した言葉を私は知らない。中学の国語の授業で知った。「草木も眠る丑三つ刻」とは、木や草までもが眠りに入った夜(午前2時過ぎ)の静けさを表現した言葉だ。それを、何もかもが暑さに焼け死んでぴくりとも動けない夏の真昼に当てはめたのが「真夏の丑三つ刻」らし…