僕たちは、鎌倉芸術館のすぐ近くのそば屋で食事をしていました。 そこへ入ってきたのが、誰あろう、「世界の小澤」でした。これから、芸術館に出演する人です。「一番簡単なおそばは何?」。「かけそばです」。「あ、それください」。小澤征爾さんは、注文の仕方も気さくでした。 僕と、「世界の小澤」との距離は、2メートル。近づいて、サインを頼める距離です。しかし、小澤さんをそっとしておいてあげたい、という気持ちが勝ちました。 それ以前に1回、「ニアミス」?したのは、小田急線の中です。僕はその頃、新百合ヶ丘に住んでおり、ある日、小田急に乗ると、すぐ近くに小澤さんが立っていました。どうも、草野球の帰りらしく、数人の…