『(略)やる気のなかった非行少年たちが最もやる気を出したのは、自分が他の少年たちに教える体験をしたときでした。それまで勉強が苦手で教えられるばかりだった少年たちに、おそらく人生で初めて人前に立ち、答えが分からない他の少年たちに対して解答を教えるといった体験をさせてみました。すると、それまでやる気のなかった少年たちが、教える側になりたいと先を争って前に出てきたのです。 その姿を見たとき、私は気づきました。教わるより誰かに教える、世話をされるより誰かの世話をする、助けられるより誰かを助ける、といったように、人は誰かの役に立てることに大きな喜びや幸せを感じるのだと。これも他者のストーリーを理解する上…