夢現の意識の流れを描いた作品としては、これまで見た中で段違いに良かった。 ポール・メスカルに負うところがすごく大きい。あの終始コントロールの効いた呼吸。『アフターサン』の若い父親役のイメージを重ねてしまったせいでよけいに良く見えたのかも、と言ったら失礼かな。シンボリズムとリアルのえぐみが共存するプロダクションデザインが白眉。昨年末に他界した山田太一の小説『異人たちとの夏』の骨組みを借りた物語だが、中野翠あたりが「なぜ同性愛なのか」とか言い出しませんように。平日マチネ、14ドルで鑑賞。異人たちとの夏 (新潮文庫)作者:太一, 山田新潮社Amazon1988年の大林宣彦作品と見比べると、ふたつの世…