中世の儒教 後漢に仏教が伝来し老壮の思想は晋の清談を生み、別に道教が生まれ、いわゆる六朝には道仏の二教の隆盛と抗争が著しかった。この道学が新儒教として立ちあがった。道学は道教仏教を排斥し、天地万物の本源を大極といゝ、それには動と静二つの活動力があり、そこから陰陽の二気が生まれ、分れて木火土金水の五行となる。人間はこの五行の精の集りであり、仁義礼智信の五性を持っている。五性が外物と接すると善悪の差を生ずる。聖人はそのために中正仁義を立てて正善に復せしめるのだ。 中世儒教の枠は朱子学と陽明学である。これは仏教の影響を受けて儒仏を融合したものである。朱子は二程子の思想を受け、易本義・詩書集註は彼の真…