中国のはなし: ――田舎町で聞いたこと 作者:閻 連科 河出書房新社 Amazon 『中国のはなし-田舎町で聞いたこと』 閻連科著 飯塚容訳を読む。 作者が母の誕生日のパーティーのため、郷里に帰る。宴が終わった後、とある若者が作者に自分の家族の隠された話を囁く。そこから話が始まる。 家族は河南省の田舎の町に住んでいた。中国の改革によりその恩恵を受けたり、商売が当たって金持ちになり、町は新築ブームに沸いていた。ところが、この家族、商売下手な父親は西瓜を売って、母親はマントウを売ってささやかな日銭を稼いでいた。家もみすぼらしい。宅地だけはあるが、いつ新築できるのか予定はまったく立たない。当然のこと…