純粋な短編小説というより評伝に近いスタイルで、春秋の范蠡から清末・民国初期の黄興までの傑物16人を採り上げている。内訳でいうと君主は四人(漢の宣帝、曹操、符堅、順治帝)だけで、あとは宰相や激動の人生を過ごした人物や在野の活動家などが多く、軍人は少なめ。各時代に一人ずつ*1を採り上げているから、時代を概観することもできる。このAmazonレビューにある通り、中国史の副読本に適した本だと思う。 中国史は三国時代までしかよく知らなかったんだけど、直近で魏晋南北朝 (講談社学術文庫)を読んでいたから苻堅まではかなりすんなり読めた。ただ、それ以降は業績をよく知らない人が大多数でちょっと苦戦した。もちろん…