源流はどこまでも穏やかに 2日目。谷の底はまだ暗いが、空は徐々に明るみ始める。そそくさと朝食を済ませ、タープをたたみ、ビバーク地を後にする。ビバーク地はちょうど国見谷、長谷、山の池谷の分岐点。今日は真ん中の長谷から国見岳山頂を目指す。 長谷の入り口は小滝の連続。冷たい朝のシャワーを浴びて目を覚ます。いくつかの小滝を超え、2段8mの美滝を水線右より直登。ゴルジュ主体の昨日とは打って変わって、急速に高度を上げていく。すぐに30mはあろうかという大滝にぶつかる。中段までは滝の左が登れそうだが、落ち口は右か?しかしこの水量を浴びながらバンドをトラバースなどできるはずもない。妄想だけ楽しんで巻きにかかる…