これまで手掛けた社寺建築では「一軒(ひとのき)入隅捩じ上げ」は工事の経験がありますが、「二軒入隅捩じ上げ」は経験したことがありません。二軒入隅捩じ上げは、江戸時代の権現造りになって初めて出てくる技法で、日光東照宮が有名ですが、多分、兵庫県内では実例を見ることが出来ないのではないかと思います。「入隅捩じ上げ」とは軒鼻の谷隅木がない納め方です。 以下に異なる二軒入隅捩じ上げを紹介します。 葛飾柴又帝釈天 こちらは反(そり)垂木となっています。とても手間のかかる仕事です。下の写真は樗谿(おうちだに)神社拝殿です。こちらは直線垂木です。木負(きおい)、茅負(かやおい)、裏甲(うらご)が同じレベルで一直…