◆『二遊間の恋―大リーグ・ドレフュス事件』ピーター・レフコート メジャーリーグの二遊間で恋が芽生えるという話だが、ややゆったりした序盤から、後半の加速していく展開がお見事。やるせないユーモアが漂うも企画もの的な安易さはなく、ドレフュス事件と符合させながら人間模様が描かれる、よく練られた作品。 ◆『ルビーが詰まった脚』ジョーン・エイキン これまで知らなかったが、作者は既に多数の訳書のある1924年生まれの作家。 「葉っぱていっぱいの部屋」 冷たい親戚の家で暮らす孤独な少年。大きな屋敷をこっそり徘徊するうちに大木の生い茂る部屋に迷い込み、そこにいた小さな女の子に出会い仲良くなる。そしてある日ハリウ…