疲れて帰宅をした部屋には、天使がいた。 ソファに、くうくうと眠る恵を見て、驚きのあまり使っている目隠しを破ったほどだ。 布が床に落ちる音がたつのすらも許せなくて、 慌てて空中で回収した。 恵には、鍵を渡してあるからこういうこともありえるのだが、遠慮をしているのか、今まで使われたことはなかった。 それを寂しいとは思っていた。 一週間の出張。 それが、何だかんだで二週間になってしまい、恵と毎日電話やメールをしていても会うのは久しぶりだった。 それどころか、「五条先生、ちゃんと仕事をしてください。」と毎日の電話に大きなため息をつきながら苦言を言っていたくらいだ。 その恵が、いる。 自分のテリトリーに…