昭和55年頃、大学の研究室で、しゃれ者で刑事法専攻のOとおしゃべりをしていた。 私「たまらん・・・窓を開けてても暑いなぁ・・・・」 O「『家の造りやうは夏を旨とすべし。冬は如何なるところにも住まる』ってね」 私「え?なんだよそれ?」 O「吉田兼好だよ。知らないか?」 私「徒然草?それがどうしたんだよ」 O「おれは京都の大学に行ってたろ? そのときに、よく聞いた話しなんだけどさ。 京の『まちや』って ああみえて涼しくできてんだよな」 私「そうなのか?」 O「ああ。まずは木造だろ。熱がこもらない。 天井が高いってこともある。 中庭があってそこに目にあざやかな緑が植わってて水なんかも流してる。 冷た…