湯浅邦弘著「貞観政要(じょうがんせいよう)」(角川ソフィア文庫 2017年)および出口治明著「座右の書『貞観政要』」(KADOKAWA 2017年)を拝読しました。貞観政要は、唐の第2代皇帝、太宗(たいそう)の言行録です。 太宗は三つの鏡を持って善政を行ないました。その三つの鏡とは、銅の鏡(現代では、普通の鏡のこと)、歴史の鏡、人の鏡のことです。 湯浅邦弘さんの著書では、太宗の言葉を次のように翻訳されています。 太宗がかつておそばに仕える臣下たちに言われた。「そもそも銅を鏡とすれば、衣服や冠(かんむり)を正すことができる。古(いにしえ)を鏡とすれば、世の興亡を知ることができる。人を鏡とすれば、…