「人体600万年史─科学が明かす進化・健康・疾病 」(早川書房、ダニエル E リーバーマン著, 塩原通緒訳) を読んだ。 上巻では人類が類人猿との共通子孫(LCA)から現生人類に進化するまでを追いかけ、そのときどきの人類の先祖の生活、特に食生活が人体に与える影響を解説し、下巻では現生人類が自らの生み出した文化によってどのような身体的影響を受けたかを説明している。 内容もおもしろかったのだが、実は自分が一番気になったのは、人類の進化の話なのに「ピテカントロプス」が全く出てこないことだ。人類の進化と言えば、アウストラロピテクス、ピテカントロプス、ネアンデルタール、クロマニヨン、と頭にすり込まれてい…