🌹恋は人を若くする‥源典侍【源氏物語109 第七帖 紅葉賀11】 御所にまで二条の院の新婦の問題が聞こえていった。 「気の毒じゃないか。左大臣が心配しているそうだ。 小さいおまえを婿にしてくれて、 十二分に尽くした今日までの好意がわからない年でもないのに、 なぜその娘を冷淡に扱うのだ」 と陛下がおっしゃっても、 源氏はただ恐縮したふうを見せているだけで、 何とも御返答をしなかった。 帝は妻が気に入らないのであろうと かわいそうに思召した。 「格別おまえは放縦な男ではなし、 女官や女御たちの女房を情人にしている噂《うわさ》などもないのに、 どうしてそんな隠し事をして 舅《しゅうと》や妻に恨まれる…