仏教には三惑(さんわく、あるいはさんなく)という概念があります。 今回は三惑の中の見思惑について、つらつら述べてみます。①見思惑 これは見惑・思惑に別れます。 見惑とはこの世に生を受けてから後天的に習得した、物事の道理に迷う知的な煩悩。見惑には、再度細分化して「五利使」という概念があります。一、身見 我が身について「自我?」に堅く執着すること。二、辺見(へんけん) 極端な考え方に持つこと。 例えば、自他の生命が死によって無に帰するという見方とか、死後も霊魂になって存在するとか、です。三、邪見 因果の道理を否定すること。四、見取見(けんじゅけん) 自己の劣っている見解を勝れてると思うこと五、戒禁…