仕事 (講談社学術文庫 2830) 作者:今村 仁司 講談社 Amazon 『仕事』今村仁司著を読む。ニューアカブームの頃、著者の『現代思想のキイ・ワード』に載っている、リゾームやディスコンストラクションなどの用語解説は、にわか勉強にとても世話になった。 かつて仕事=労働は、悪とみなされ、蔑まれていた。それがルネサンス期あたりから、まるっきり反対の評価となる。「労働観」を歴史軸で見つめると、いまだ「労働からの解放」は実現していない。あらためて働くことを考察する。 第一章 未開社会の労働観 「近代社会では「労働・生産」は単独に突出し、それに応じて「自然と闘い、自然を征服し、自然を変形する」労働と…