前回までの記事の続きです。 「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?」(山田昌弘著、光文社新書)によると、日本の少子化対策は、欧米の少子化対策を見習ったため、失敗しました。欧米で広まった「仕事による自己実現」という考え方は、日本では少数の女性に影響を与えたに過ぎませんでした。 政治家、官僚、企業幹部、マスコミ、そして研究者の周りにいる若年女性の大多数は、大卒、大都市在住、大企業正社員か公務員のようです。中には成功したフリーランス、起業家もいるでしょう。しかし、大卒の女性など、最近ようやく5割を超えた程度で、2001年だと若年女性の32.2%、3分の1に過ぎません。日本の若年女性の多数派は、大卒で…