自社株は不動産と同じように分けにくい財産の代表格でもあります。遺留分が発生した時に、かなり高額になるケースもおおく、場合によれば自社株や会社敷地を共有という可能性も出てきます。しかし 会社経営に兄弟で素人の二人が共有で会社資産をもつというのは、トラブルの原因でしかありません。また2次相続が発生した場合など、自社株の所有者がどんどん分散化していきます。 こういったことを防ぐためにも、事前にいろいろな対策が必要です。税理士、弁護士といった専門家を交えた相談が必要かと思います。
税金面で見ても自社株の承継は非常に難しいです。中小企業の経営者は自分の財産を会社につぎ込む傾向にあり、結果的に多額の自社株を持つことになります。また経営を安定させるため、内部留保(利益の社内蓄積)を増やす会社が多いという現状もあります。この2点からいざ相続の段階で、予想以上に高い評価額で相続をしないといけなくなるという事が起きてしまいます。
子供が3人いて、そのうちの一人は会社運営に関わっていて役員、他の二人は別の仕事をしていたり専業主婦であったりした場合、相続時の取り分で揉めることがあります。会社に関わらない資産が潤沢にあれば別ですが、得てして中小企業の場合、全資産が会社そのものというケースは多いです。そうなってくるといくら有効な遺言や家族信託をしていたとしても問題になってくるのは、遺留分です。
経営者の相続問題はなかなか大変です。事業承継という多くの人をまきこんだ相続になるからです。従業員50名といった中小企業でも50名の生活がかかった事業承継となると責任は重大です。会社存続のためには、土地 建物 自社株などの社長資産は、後継者にしっかり承継しないと後々会社の運営が難しくなる場合があります。 家具インテリア大手の会社で創業者である親と後継者の子が、株主をまきんで壮絶な争いをし、マスコミも大騒ぎになりました。