まぼろし令嬢:島田一男 1950年(昭25)4月~1951年(昭26)5月、雑誌「少女世界」連載。 1951年(昭26)偕成社刊。 まぼろし令嬢:島田一男、沢田重隆・画 変身型の少女探偵活劇である。千何百年も昔の京都の女賊の呪いがその血筋を伝える者に「紅水仙」の模様の痣として左手の甲に現われるという設定。何の苦労も知らずに博士家の令嬢として育ったマユミにその徴候が現われると、彼女は平常とは趣きをガラリと変えて、顔をベールで覆い、乗馬服にマント姿の怪女として活躍する。 まぼろし令嬢:島田一男、伊勢田邦彦・画1 その生育の謎を知るのは乳母のお時婆さんのみだが、その存在感は意外に大きい。昔の紅水仙の…