愛情の星:菊田一夫 1954年(昭29)8月~11月、雑誌「読切俱楽部」連載。 1957年(昭32)東方社刊。 戦後期のメロドラマのうちで最も有名な「君の名は」を書いた菊田一夫は、他にも非常に沢山の作品を書いた売れっ子作家だった。この「愛情の星」もその一つなのだが、放送作家として起伏の富んだ、あるいは波乱万丈のプロットを展開させるパーツを生み出していく力量と才能は十分にありながら、作品そのものの構成に関しては、まるで砂上の楼閣のようにちょっとした地震や台風でバラバラに崩壊してしまうような骨組の弱さが見え見えだった。 愛情の星:菊田一夫、伊勢田邦彦・画 神戸の富豪令嬢由起枝は、実は妾の子で、生母…