小説家(1920年(大正9年)〜1995年(平成7年)) 青森市生まれ。 京都帝国大学卒業。 1948年(昭和23年) デビュー作『刺青殺人事件』が江戸川乱歩の推挙により「宝石選書」の1冊として出版され、日本探偵作家クラブ賞第2回長編賞の候補となる。1950年(昭和25年)『能面殺人事件』で第3回探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)長編賞受賞。
~"首なし"ならぬ"胴なし"~ 高木彬光 新装版『刺青殺人事件』光文社 刺青殺人事件新装版 posted with ヨメレバ 高木彬光 光文社 2013年10月08日頃 楽天ブックスで探す Amazonで探す hontoで探す ebookjapanで探す あらすじ 主要登場人物 特徴 この小説に向いている人 この小説に向いていない人 まとめ 追記①この小説が好きな方にオススメ 人形はなぜ殺される あらすじ 野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。艶美な姿に魅了された元軍医・松下研三は、誘われるままに彼女の家に赴き、鍵の閉まった浴室で女の片腕を目にする。それは胴体のない密室殺人だった――。謎が謎を呼ぶ事…
東京の暑さもいっかな治まらない8月下旬、一昨日(27日)は池袋サンシャイン劇場に「呪縛の家」のお芝居を観に行きました。 原作は、高木彬光の探偵小説。名探偵・神津恭介が活躍する長編作品を、ジャニーズジュニアの方々が出演してお芝居にしたものですね。監督は、これまでもミステリー作品を朗読劇に仕立てて一定の評価を得て来た、野坂実氏。私はとある関係者の方にチケットを調達していただき、ありがたくも素晴らしい席で鑑賞させてもらいました☆ 久しぶりどころか、もう20年近く(?)足を向けていなかったサンシャイン・ビル。JR東池袋駅から地下通路で直結するようになったことも知らなかった。便利になりましたね~。池袋駅…
皆さん、最近本を読んでいますか? わたしはおじさんなのでKindleなどタブレットだとなかなか読み進みづらく、もっぱら紙の本を好みます。小学生の頃は学校で一番沢山本を読むくらいの多読派でした。主にSF系が多く空想癖のある夢見がちな少年だったわけです。 わたしの今年の目標の一つに、「できるだけ本を読む」というものがありますが、今年は冊数でいえば15冊程度しか読めていません。買ったり、図書館で借りたり。最近は本を読む習慣のある人は減ってきているようですが、読書には次のような効果があります。 語彙力、文章力が養われる。教養や知識が身につく、仕事に役立つ知恵を得られる、想像力が豊かになる、コミュニケー…
1957年(昭32)9月~1958年(昭33)5月 雑誌「読切俱楽部」連載 1958年(昭33)東京文芸社刊。「女自雷也」「魔像往来」「妻恋坂の決闘」など7篇所収。 高木彬光の剣客物の時代小説。江戸の両国橋の袂で自分の命を売るという商売をする浪人・青貝進之丞は目に留まらぬ早業の剣の使い手である。話を切り出す依頼人はいずれも何らかの企みを抱いており、進之丞をうまく言いくるめて加担させようとする。単なる殺しの請負では何の面白味もない。その騙しのからくりを読み解くのが話の本筋になる。それにしても簡単に人を斬殺してしまうのはあまり気味のいい感じはしない。いかに人生に対して虚無的であれ、人が生き続けるに…
1955年(昭30)東京文芸社刊、タイトルは『復讐鬼』 1960年(昭35)浪速書房刊、『神秘の扉』 神奈川県の海沿いの田舎町に建つ広荘な洋風建築の松楓閣に暮らす富豪の朝比奈家に次々に起きる失踪事件。古文書の整理に雇われた秘書、群司の眼を通して丁寧に語られるその不気味さに満ちた屋敷の空気は迫真的に感じられる。 目次の見出しを紹介したから即ネタバレだと非難するのは過敏過ぎる気がするが、この作品は明らかに黒岩涙香の2つの傑作「幽霊塔」と「白髪鬼」の骨格を借用したことがわかる。いずれも江戸川乱歩によってリライトもしくは改作されたもので、この高木作品は言い方が悪ければ「三番煎じ」になる。あるいはオマー…
本作「人形はなぜ殺される」は「りら荘殺人事件」「獄門島」と並ぶ日本古典推理小説の名作という噂に間違いのない傑作でした。「顔のない死体」「見立て」「アリバイ」等、様々な要素のある推理小説です。 「日本三大名探偵」の一人である神津恭介の推理小説を初めて読みました。1955年の小説と70年近く前の推理小説です。時代背景のギャップはありますが、文章は読みにくいとは感じませんでした。三人称の作者の地の文が「この後、あのような凄惨な事件が起こるときは誰も知るよしがなかった」(意訳)のような熱く仰々しいのはご愛嬌。 本作は神津恭介が最も苦戦した事件の一つのため、神津恭介の天才名探偵っぷりは味わえなかったのが…
★ 小松史生子さんが「戦後探偵小説と新宗教: 高木彬光・横溝正史・松本清張」を、『南山宗教文化研究所研究所報』Volume.32に寄稿されました。 ※南山大学のページも、ご覧下さい。 nirc.nanzan-u.ac.jp
私が、Kindle本を耳読した本の感想を、ご紹介しています。 本選びの参考になれば、と思っています。 読み終えるまでの平均的な時間(10時間47分) 感想… どこまでが物語だろうか…と考えながら読み進めた。戦後の話だから、話し方も、常識もちょっと昔感覚ではあるが、半分は本当の話だということでとても興味深かった。 少し昔の時代は、知能犯にも人間味があるように感じられた。そう考えると、現代は人間味がない時代なのかも知れないとも感じる。とにかく人間関係も変わってきていると。 とにかく読みごたえはあった。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObjec…
北の夕鶴2/3の殺人【電子書籍】[ 島田荘司 ]価格: 713 円楽天で詳細を見る 【あらすじ】 吉敷刑事に5年ぶりに別れた妻、加納通子からかかってきた電話は、ただならぬ気配に満ちていた。警視庁捜査一課の刑事、吉敷竹史は通子を追って上野駅へ行くも、一歩届かず通子を乗せて発車した「ゆうづる9号」を見送る。翌日、青森署から捜査協力依頼が来るが、その事件「ゆうづる9号」で死んだ女の服装は、昨夜見た通子のものとまったく同じもの。吉敷は急遽青森へ急ぐ。しかし死体は通子とは別人だった。 吉敷は更に通子の現在の住所である釧路に足を延ばすが、通子の部屋は殺人事件の現場となって通子は行方不明となっていた。殺され…
子供がキャンプに行きたいと、行きたい場所は木漏れ日の森キャンプ場、過去2回ほどお邪魔しています。 子供曰く、ここのキャンプ場は、段々になっているのとトイレが綺麗だから行きたいようです。 また、ここのキャンプ場は木々に囲まれており、当然のようにそこらへんに木々が落ちていて、それを拾って、焚火ができるのも楽しかったようです。 普通に焚火用の木も販売しているので、集めてこなくてもいいですが、集めてきても楽しいですよ。 最近は、どうもゆっくりした時間を過ごせてなく、慌ただしいので、キャンプに行ってゆっくり読書をしてもいいかもしれませんね。 読書も、面白みのない知識を増やすようなものは普段からよく読みま…
注:このブログはBequrrentさんの『ベタ問300弐』から引用したものです。 Bequrrentさん https://x.com/BeQurrent_Quiz?s=09 1.クラシックとジャズを融合させた「シンフォニックジャズ」を創始した、代表曲に『ラプソディー・イン・ブルー』があるアメリカの作曲家は誰でしょう? 解答を表示するジョージ・ガーシュウィン 『ラプソディー・イン・ブルー』は冒頭のクラリネットのグリッサンドがとても印象的です。その他の代表曲に『パリのアメリカ人』などがあります。 2.足踏み、胴造り、弓構え、打起し、引分け、会、離れ、残心からなる、弓道において矢を射る際の一連の基本…
八角関係 (論創ノベルス) 作者:覆面冠者 論創社 Amazon 河内家の三兄弟、秀夫(35)、信義(32)、俊作(29)は父親の遺産を三等分し、それぞれ事業に投資して生まれた利潤で気楽な、惰眠をむさぼる生活を送っている。秀夫の妻鮎子(25)、信義の妻正子(22)、俊作の妻洋子(26)とともに、父が遺した大邸宅の別々の部屋に住んでいた。三組とも子供はいない。洋子と雅子は実の姉妹である。女中はおらず、三人の妻は仲良く家事を行っていた。正月の十日過ぎ、洋子からのお願いで空いた部屋に姉夫婦が住むこととなった。姉の野上貞子(30)は探偵作家、その夫丈助(34)は捜査課の警部補であった。そして四組の夫婦…
■兼高かおるの第1作が新装復刊された。『世界とびある記』(ビジネス社、2019)で、元の本は、同じ書名で光書房から1959年に出版されている。日本人の海外旅行の資料として、書店で新装版を見つけてすぐ買ったのだが、巻頭に光書房版の表紙写真が載っている。おやおや、だ。この本、ずっと前に神保町の古本屋で買っている。表紙写真に心当たりはあるが、「読んだ」という記憶がない。新装版を読み始めると、なぜ旧版をちゃんと読まなかったのか、すぐにわかった。読む価値がないのだ。内容がおもしろくなくても、資料としてなにか価値があるだろうと期待したのだが、だめだ。文章力において、中谷美紀や若林正恭の方が、よほど達者だ。…
(本書のほか、『真珠郎』、「神楽太夫」の犯人およびトリック、アガサ・クリスティの『アクロイド殺し(アクロイド殺害事件)』他の諸作、ジョン・ディクスン・カーの『貴婦人として死す』、坂口安吾の『不連続殺人事件』、高木彬光の『刺青殺人事件』、江戸川乱歩の中編小説のトリック等に言及しています。) 『夜歩く』(1948-49年)は、横溝正史の戦後長編における転換点に位置している。 『本陣殺人事件』(1946年)、『蝶々殺人事件』(1946-47年)、『獄門島』(1947-48年)に続いて、『びっくり箱殺人事件』(1948年)と同時期に連載され、まだ枚数が限られていた時期の作品である。この後、『八つ墓村』…
土曜日。雲間からの日差し。日中、意外と晴れる。11月だというのに、まさかの起床時暖房予約。普段は12月まで粘るのに、この気温の急転直下ぶりよ。巷で云われているように、いよいよ日本は二季化していくのか。などと、朝は考えている余裕もなく。健康診断の予約の都合上、昼まで絶食状態。朝から食う人間にはキツイ。オプション検査の関係上、血を例年より一本多く抜かれる。採血担当の女性が近年稀にみる手練れ。目視しているのに針を刺している感覚がチクリとも無い。抜いた感覚も無い。すげえ。どこの師範だ。胃カメラもあったゆえに、検査後一時間さらにお預け。とっとと帰れば良いものを本屋に寄る。空腹を超えに超えたテンション。 …
●『フランケンシュタイン』 高木彬光 偕成社 読了。 「少年少女世界の名作」の第十二巻で、原作/シェリーとしてある。冒頭の「この物語について」によれば、高木彬光が内容を多少はぶいたりおぎなったりしているという。原典と比較してみたいが、昔読んだ創元推理文庫の内容はすっかり忘れている。当時しんどい思いをしたことは覚えているから、再読するのも気が乗らない。次善の対応としてWikipediaのあらすじを参照すると、実際は多少どころではない改変が施されているようだ。 特に著しい違いは、イゴールなる怪人物が登場する点。イゴールは原典に登場しない映画オリジナルの人物で、フランケンシュタインの助手である。とこ…
『たどりついたアイヌのモシㇼでウレシパモシリに生きる』 水谷和弘 はる書房 2018/10/12 <縄文・アイヌ文化を伝える土地に住む> ・10年ほど前に私は8年間借りていた荷負の家を買いました。その我が家の土地と家の周りの私が管理している畑から石器をはじめ多彩な物たちが出土します。 磨石や石皿、削器(スクレーパー)、石斧、ナイフ型石器などの遺物が出てきた場所は山の中腹、周囲は畑と山林で小高い山も奥にあります。細石器も数多く、石器の加工場があったことが分かります。アオトラ石や黒曜石の石器の完成美品も出てきました。 この地域に現在3世帯しか暮らしていませんが、かつてはアイヌの世帯が53あったと聞…
これは戦後を迎えてのことだが、ゾルゲ事件で獄中にあった尾崎秀実が妻の英子と娘の楊子に宛てた書簡集『愛情はふる星のごとく』がベストセラーになっている。それは昭和二十一年からのことで、出版ニュース社編『出版データブック1945~1996』のベストセラー表をたどってみると、昭和二十一、二十二年、いずれも第二位、二十三年が第一位で、トータル部数は定かでないけれど、二十一年は十二、三万部の売れ行きだったとされる。ちなみに同時代のよく知られたベストセラーは太宰治『斜陽』(新潮社)、永井隆『この子を残して』(講談社)である。 手元にある『愛情はふる星のごとく』は昭和二十二年十一月第四刷で、B6判並製、二八三…
こんばんは。今日はどんよりした天気、ちょっと羽を休められてよかった。 ◆11月5日(日)前日の飲み会ではハンドルキーパーとしての役目を全うしたため、二日酔いにならない朝。ソバーな飲み会ってのも悪くないよねと思う。朝ごはん、同期が関西みやげでくれた「いかなごのくぎ煮」を食べる。懐かしい味。ひいおばあちゃんのはもっとしょうがが効いてた気がするなあ。いかなごと間違えてしょうがをガリっと嚙んじゃったときのハズレ感 笑下の記事でもおなじエピソード書いてる……まさか1年後に食べられるなんて!市販のとか関係よく、懐かしい味をまた味わえたのがうれしい。 non-moo.hatenablog.com 午前中は留…
(『スペードの女王』および原型の「ハートのクイン」のほか、『真珠郎』、『夜光虫』、「神楽太夫」、『夜歩く』、「黒猫亭事件」、『悪魔の手毬唄』、『白と黒』の横溝作品。エラリイ・クイーンの『エジプト十字架の謎』、クレイトン・ロースンの『首のない女』、江戸川乱歩の「石榴」、高木彬光『魔弾の射手』の内容に触れています。) 『スペードの女王』は、1958年に発表された短編「ハートのクイン」[i]を長編化して1960年に東京文藝社から刊行された。約4倍の分量に改稿されたという[ii]。 横溝正史による中短編の長編化は、東京文藝社が企画した「金田一耕助探偵小説選」(1956年~)および「金田一耕助推理全集」…
(The Lost King, 2022) 二人の子どもをもつフィリッパ(サリー・ホーキンズ)は持病の筋痛性脳脊髄炎のために仕事が休みがちでなかなかうまくいかず、元夫(スティーヴ・クーガン*1)との関係も微妙で、人生に行き詰まりを感じていた。あるとき、彼女はシェイクスピアの史劇『リチャード三世』を観覧し、生まれ持った障害(脊柱側湾症)のために人格が捻じ曲がって無慈悲な殺人者となりはてたリチャード三世のキャラに強い違和感を覚える。彼は曲解されているのではないか、と直感したフィリッパは、リチャード三世を擁護する愛好家団体や歴史の専門家、行政、そして彼女自身の家族を巻き込みながら、墓所が所在不明とな…
●『別冊・幻影城 NO.7 高木彬光』 読了。 「誘拐」 犯人の計画に感心した。これはいい。読んでいる途中は、(伏字)要素がちと興醒めであった。だが、その部分にもきちんと神経が行き届いていることが分かって、なおのこと関心する。私好みの、警察の地道な捜査も描かれている。終盤まで引っ張られる犯罪計画の謎も興味深い。百谷泉一郎・明子ペアが事件に取り組み始めてからの、解決に向けた段取りも秀逸なアイデアである。しかもキャラクター設定と結びついているのが上々。これは読んでよかった。 「我が一高時代の犯罪」 時計塔からの失踪は、シンプルな真相がお見事。読んでいるうちにふっと思い浮かんでもおかしくない自然なネ…
一条真也です。東京に来ています。各種の打ち合わせをした25日の夜、TOHOシネマズシャンテでイギリス映画「ロスト・キング 500年越しの運命」を観ました。わたし向けの映画をいつも紹介してくれる映画コラムニストのアキさんのおススメ作品だったのですが、非常にテンポの良い快作で、今回も時間を忘れるほど面白かったです! ヤフーの「解説」には、こう書かれています。「イギリスで2012年、長らく行方不明となっていたイングランド王リチャード3世の遺骨発見に貢献した女性の実話を基にしたドラマ。冷酷非情な人物として伝えられる王の真の姿を探るため、歴史愛好家の女性が独自に調査する。『クィーン』などのスティーヴン・…
9月25日誕生日の全国35万人の皆さんおめでとうございます (拙句) 男郎花 野性の味と臭ひあり 雅舟 【花】オトコエシ(オミナエシ科) 【花言葉】野性味【短歌】山の家の人訪ねゆく車窓よりオトコエシ雪のように咲く見ゆ 鳥海昭子 黄色のオミナエシ(女郎花)に似ていますが、オトコエシは白くてたくましい感じがします。友人を訪ねるバスの車窓から、真っ白に咲いているのが見えました。 【季語】 男郎花【俳句】 はしなくも気丈といはれ男郎花 今井 君江 月山の空のまろさやをとこへし 小宮山 勇 うすやみに高さのありてをとこへし 小原 啄葉【三行詩】女郎花・男郎花 レディーファースト 男女共同参画・お花畑 【…