犯罪蒐集狂:高木彬光 1955年(昭30)雑誌「小説倶楽部」に「顔のない女」を掲載。 1980年(昭55)桃源社刊。(ポピュラー・ブックス)全6篇。 犯罪蒐集狂:高木彬光、長尾みのる・画 表題作を含め、全6篇の短編集。『犯罪蒐集狂』は侠客を先祖に持つ探偵大前田英策ものの一つ。デパートの閉店間際に毎日やって来てスリッパを一足ずつ買っていく謎の男が、ある日その売場で射殺されるという事件。『顔のない女』は女探偵川島竜子が捜査警部を縦横に操りながら事件を解決する。彼女は若い身空ながら亡き夫の後を継いで探偵事務所を切り盛りするというスマートな女傑である。全体的に英米風のドライな語り口で、トリックも二ひね…