2019年には自身にとって6冊目となるエッセイ「孤独という道づれ」を発売。 さらに2021年には自伝「岸惠子自伝―卵を割らなければ、オムレツは食べられない」を上梓するなど、90歳を超えてもなお、執筆やトークショーと、精力的な活動を続けるのが岸惠子だ。 彼女が2013年3月に発売した、高齢女性の性愛を赤裸々に描いた小説が「わりなき恋」だった。 主人公の「伊奈笙子」は、70歳を目前にしたドキュメンタリー作家。 彼女が恋に落ちた相手は、ひと回り年下のビジネスマン「九鬼兼太」だ。 2人はパリ行きの飛行機のファーストクラスで出会い、やがて恋に身を焦がすことになるのだが、「わりない」とは、道理に合わない、…