部屋の整理をしていたら古い会記が出て来た。十五年ほど前に師匠が亭主になって催された茶会のもの。私は小躍りして喜んだ。なんというお宝だろう!私は舐めるように会記を読んだ。 会記が宝ものだと気づいたのは最近のことである。定期的に稽古をやるようになり、たまには茶会の真似事ようなこともするような身になってみると「道具の取り合わせ」に悩むことが増えた。この水指はどんなときに使うのが良いのか。この棚はこの季節に使ってもよいのだろうか。これとこれを取り合わせてもちぐはぐにはならないだろうか。 そんな時大きなヒントになるのが、茶会の記録である会記だ。中でも自分も参加していた師匠の茶会の記録は何よりも参考になる…