はしご酒(2軒目) その弐 「シンジツ ハ ヒトツ カチカン ハ ムゲン」 「ワケギとイカのぬた」が好きだ。さいわい、Oくんも好物だと言う。 そう、「ぬた」。 いわゆる酢味噌和えのことであるが、あくまでも「ぬた」は「ぬた」であって、その辺りにいる酢味噌和えたちとは一線を画している、と、信じてやまない私は、酢と味噌とワケギとイカとのこのカルテットなマリアージュを、小さな奇跡とさえ思っている。と、同時に、一体全体、この世の誰が、この小さな奇跡を思い付いたのだろう、と、かなり以前から熱く、熱く思い続けている。 そう、それほど、「ワケギとイカのぬた」が好きなのである。 そんな、「ワケギとイカのぬた」愛…