Key words: 文学と植物のかかわり,薄明窮,鐘,キキョウ科,教会堂,乳液,送電鉄塔 童話『銀河鉄道の夜』(第四次稿)には,天上世界の空の色を「桔梗色」と表現している箇所が4つある。賢治は,物語の地上世界の景観に現れる空を「鋼青の空」と記載していたが,天上の景観に現れる空には,物語の展開に沿って「がらんとした桔梗いろの空」(八,鳥を捕る人),「きれいな桔梗いろの空」,「桔梗いろのがらんとした空」,「桔梗いろのつめたさうな天」(九,ジョバンニの切符)と「桔梗いろの空」に様々な形容語句を付けて表現している。 「桔梗色」とは,「キキョウ」(キキョウ科;Platycodon grandiflor…