梅澤秀夫『早すぎた幕府御儒者の外交論』☆☆☆☆★ 日本の歴史や思想が好きな人にとって、古賀精里という名前を聞いたことがあるだろう。だが、詳しく知っているかと聞かれると答えられない人の方が多いだろう。 本書を読んだ動機 藤田覚のシリーズ日本近世史⑤『幕末から維新へ』(2015年、岩波新書1526)の中で幕府の学問所儒者が対外関係を担った話が書いてあり、ちょうどいまピンと来たからである。 藤田氏は、真壁仁氏の『徳川後期の学問と政治』(名古屋大学出版会、2007年)を挙げていたが、今回検索に肥前佐賀文庫の梅澤秀夫『早すぎた幕府御儒者の外交論』(出門堂、2008年)が引っかかってきた。一読した程度だが…