第4首 汝(な)の余生”遊び倒せ”と言ふ夫(つま)の 悪性腫瘍に痩せた手の甲 遊び倒せよ 夫の遺言 「こんなに早く 先に逝くことになるとは思わなかった。 申し訳ない。 しかし、どうすることも出来ない。 だから、余生は俺からのギフトだと思って 遊び倒してくれ。 これまで封印してきたこと 1人だからできること 楽しく遊んで、ゆっくり来いよ。」 55歳で早期退職するまでは 仕事と子育てと家事 本当に忙しい毎日だった 退職後も 「主婦」を引退することはできず 読みかけの本も 編みかけのセーターも 興が乗っていても 止めなくてはならない 食事も洗濯も 待ってはくれない 一人になって気づく 自分のペースし…