マーク・ラッペ氏が書いた『皮膚 美と健康の最前線』(川口啓明・菊地昌子:訳、大月書店:1999年刊)という本をご紹介しています。今回は第9回目です。 ◆免疫系と過敏症 腕時計やイヤリングなどを身につけると、激しいかゆみとともに炎症をおこし発疹が出る人がいますが、これは金属に含まれる不純物のニッケルが原因である場合が多いそうです。 このニッケルのようなアレルギー性の接触皮膚炎をひきおこす物質は「感作物質」とよばれ、他にもクロム、天然ゴム、ホルムアルデヒド、ウルシなどが知られています。 一度このような感作が成立すると、この情報が免疫系に記憶され、次に同じ物質に触れた時に「過敏症」とよばれる激しい反…