国立劇場第6期歌舞伎俳優研修を修了(1982年)された中村京蔵さん。その後4世雀右衛門に入門して40年を超え、今や女方の要として歌舞伎界にとってなくてはならない存在です。 早稲田大学の歌舞伎学会のイベント「演劇の証言〜中村京蔵丈に聞く」があると聞き、行ってきました。 京蔵さんって、私にとっていつも見ていて安心な脇役という感じでした。ところが驚かされたのは昨年「フェードル」の舞台でした。卓越した演技力は知っていても、この難しい和洋折衷の芝居を自主公演でやり遂げた力というのは一体どこから来たのだろうと、感嘆の思いを禁じえず、それから特に舞台では注目してきました。「紀尾井町家話」に出演時は、ものすご…