フードバンクといった生活困窮者のための食糧支援の仕組みを、聞いたことがある人は多いはずだ。家庭や飲食店の余った食材などを集め、必要としている人・場所に配布する仕組みである。 世界各国で取り組まれている食糧支援の仕組みだが、その取り組みのあり方やスタイル自体も、徐々に広がりを見せているようだ。たとえば、コミュニティフリッジというものをご存知だろうか。"公共の冷蔵庫"を指すその概念は、2012年にドイツの市民がイニシアチブをとる「foodsharing(フードシェアリング)」(※1)という団体によってはじまった。 地元のレストランやスーパー、そして個人が、売れ残りや余った食品を特定の冷蔵庫=コミュ…