5月23日、明治天皇が六大巡幸の第一回目となる西日本の巡幸に出発しました。 (巡幸の意義)江戸時代の歴代天皇は、京都御所を出ることすら、まれで、生涯の大半を御所で過していたため、明治維新まで、天皇は、人々の眼に見えない存在でした。明治維新が起き、江戸幕府が倒れ新政府が発足すると明治天皇は、これまでの歴代天皇とは対照的に日本各地へ行幸し天皇は「見える」存在へと変化しました。 明治天皇はときに数カ月に及ぶ地方視察に出向き、「旅する天皇」となります。それは、近代国家の統治者としての天皇を、国民に可視化させる一大プロジェクトだったのです。明治天皇の日本各地の地方巡幸は100回近くあり、 日帰りも30件…