コールバーグは自身の理論を検証するために、10歳から16歳までの少年72人に次のような質問をしている。「ハインツの奥さんがガンで死にかかっている。特効薬で助かるかもしれないが、それを買うお金が半分しか集まらず、交渉したが断わられた。困ったハインツは倉庫に忍び込んで、薬を盗んだ」という事例を話した後、「薬を盗むべきだったか?」「なぜそう思うか?」を尋ねたのである。(山竹伸二 著『共感の正体』河出書房新社、2022) こんばんは。被験者72人の中に少女が含まれていないのなぜでしょうか、という疑問はさておき、上記はいわゆる「ハインツのジレンマ」と呼ばれる、道徳の授業にも使える事例です。コールバーグと…