はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 2017年10月27日13時42分 「ほら、生まれたよ。」 はぁ、はぁ、はぁ・・・長距離走を走った後のような荒い呼吸で乱れた私の目の前に、まだ目の開かない、手足もぎゅっと縮こめた小さな天使が見えました。 自然とその天使に右手が伸びていく。 しかし、触ることは許されず、私のそばから離れていく・・・。 その数秒後「おんにゃー!!」と、か細くもしっかりとした泣き声が耳に届いた。 初めて産声を聞いた瞬間だ。 生まれた時はまだ産声をあげておらず、助産師さん達の手によってさすられ、肺呼吸を始めたのだ。 2日前・・・ 41週を過ぎてもまだ産まれる気配が…