西施像。あまり美人には見えないけれど ◎象潟や雨に西施がねぶの花(芭蕉) 蚶満寺(かんまんじ)にある芭蕉像 「江の縦横一里ばかり、俤(おもかげ)松島に通ひて、また異なり。松島は笑ふがごとく、象潟(きさがた)は憾む(うらむ)がごとし。寂しさに悲しみを加へて、地勢魂を悩ますに似たり。」 芭蕉が「おくのほそ道」に出掛けた際、とくに目にしたかったのが太平洋側の松島と日本海側の象潟(現在は「きさかた」と清音で読む)であった。ともに歌枕として名高い場所であるが、松島はそのあとに平泉や出羽三山などに立ち寄っているので当然、立ち寄るべきルートの内にあったが、象潟は酒田(最上川の河口)からわざわざ北上して足を伸…