こんなはずではなかった。これまでも自分が求める通りの結果を得られたわけではない。そうだから、何度もやり直してきている。だが、今回の結果は過去のどれと比べても最悪。ジークフリート王が得られたものは、彼の基準では、無に等しい。どうしてこのような結果になってしまったのか。似たような思いが堂々巡りする。 「あれは……東方辺境伯。キャリナローズか。彼女も生きていたのだな」 外壁の内側に逃げ込んでも、安全とは言えない。東方辺境伯家軍の、ラスタバン王国の軍旗があちこちで翻っているのが見える。 「……ここまでか」 この状況からの逆転はない。そのような方法をジークフリート王は知らない。元々、彼には確たる戦略、戦…