捕物そばや:村上元三 1955年(昭25)6月~1956年(昭26)5月、雑誌「読切倶楽部」に連載。過去に別の雑誌に掲載されたものの再掲載を含め計12篇。 村上元三が生み出した捕物帳の主人公 加田三七のシリーズは作者自身も愛着があったようで、終戦直後に書き出してから20年のうちに80作を越えていたという。ほとんどが雑誌掲載が初出だったが、この「新編」として連載した作品は作者の存命中は単行本化されなかった。今年(2023)にようやく捕物出版という会社で全篇出版された。 元八丁堀同心だった加田三七がそば屋を始めたのは明治に入ってからで、警察の部外者ながら事件が起きると首を突っ込むのが性分。こうした…