著者:ダヴィド・ディオップ翻訳:加藤かおり出版社:早川書房 第一次大戦、対ドイツとの塹壕戦を繰り広げるフランス軍に動員された セネガル兵アルファは親友の死をきっかけに敵兵を倒す度に 狂気の儀式を繰り返す。 植民地から戦地へ集められ、友を殺され、 英雄から疎んじられる兵士となる変遷が 呪文のように繰り返されるフレーズと共に描かれる。 彼の残虐行為を通して本当の狂気は何だろうと思わざるを得ない。 終盤の展開は正直なところ一読では理解しきれなかったが、 全体を通して感じる独特の雰囲気はなかなか味わえないものだった。 ブッカー国際賞受賞作であり、高校生が選ぶゴンクール賞とやらも 受賞しているようだがフ…